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えぴたホール愛媛内
執行委員長あいさつ

年度はじめにあたって
~児童生徒と向き合う時間の確保に向けて~
あたたかな日差しの中、令和7年度が始まりました。3月末には慣れ親しんだ人たちとの別れを惜しみつつ、新たな出会いの中で忙しい日々をお過ごしのことと存じます。昨年度は特色選抜入試が初めて行われ、各学校がその対応に追われました。また、県立学校振興計画に沿って学校再編整備が進んでいます。さらに、教育無償化が今年4月から段階的に始まることが決まりました。私立高校の授業料無償化により公立学校の運営にも影響が出てくると考えられます。生徒たちにとって真に必要なものを精査し、時代のニーズに合った教育に発展させることが、学校の魅力化・特色化につながります。選ばれ続ける公立学校となるためにも、十分な予算と人員を確保することが必要であると考えます。
私たち愛媛高教組執行部は新しく6名の執行委員を迎え、新年度のスタートを切りました。今年度も県立高等学校、中等教育学校並びに特別支援学校における教育の振興と充実をめざして努力してまいりますので、引き続きご支援・ご協力をお願い申し上げます。
今年は、トランプ大統領の就任に始まり自国ファーストの政策で経済市場も様々な動きをしています。前年から続く物価上昇がますます家計に打撃を与えそうです。一方、春闘では昨年から続く大幅な賃金引上げなど、給与改定に向けた動きが活発になっています。スポーツ界では、イチロー選手がMLBとNLBの両リーグで同時に殿堂入りをしました。また、佐々木朗希選手がドジャースに入団し開幕戦も日本で開催するなど、今年もスポーツ界は明るい話題が尽きません。学問分野では、昨年のノーベル賞で物理・化学の二分野で生成AIの研究が選ばれました。ますます社会の中でAIが存在感を増していくことが容易に想像できます。AIの成長速度は人類と比べ、年間で10倍を超えるといわれています。AIをはじめ、デジタル技術を駆使することで、われわれの生活もますます便利になり、同時に社会で求められる能力も変化していきます。学校現場においてはようやく観点別評価に慣れてきたところではありますが、次期学習指導要領の策定に向けた話題もあがっており、時代の変化にあわせた能力が求められることとなります。私の小学3年生の息子は、タブレットを自在に操り調べ学習をしています。未来を生きる子どもたちには、何年先を見通した教育が必要なのでしょうか。
教育界全体では、教職調整額が導入以来約50年ぶりに改定されるなど、教職の魅力向上に向けた機運が高まっています。教職調整額はわれわれ教育専門職の職務と職責に対する対価であると考えます。同時に、働き方改革の更なる加速と時間外勤務手当の支給についても求め続けていかなければなりません。働き方改革については各教育委員会がPDCAサイクルを構築し責任をもって取り組むことが明記され、管理職には更なる実効性ある計画と結果が求められるようになります。現状、「学校・教師が担う業務に係る3分類」(「基本的には学校以外が担うべき業務」「学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務」「教師の業務だが、負担軽減が可能な業務」)はなかなか浸透していない印象があります。授業時数や学校行事の見直しには、教師一人ひとりがカリキュラム・マネジメントの充実に努めることが重要です。特に学校行事においては慣例的に行っている部分を見直すとともに行事間の関連や統合を図るなど、行事の精選・重点化や準備の簡素化・省力化等を進める必要があります。そのほかにも学校と保護者等間の連絡手段のデジタル化、生成AIの校務への活用推進等に取り組み、確実に働き方改革を進めていかなければなりません。
また、教員不足も危機的な状態です。教職の魅力は、児童生徒の成長に直接携われることにあると思います。しかし日々の業務に追われ、児童生徒と向き合う時間が減少しています。われわれが関係各所に要望し続けている「教職員定数の改善」の早急な実現により、一人ひとりの業務負担を減少させるとともに、これまで教職員の献身性に支えられてきた取組の在り方についても議論を重ね、児童生徒と向き合う時間の確保や教職員のワーク・ライフ・バランスの充実へつなげていかなければなりません。
愛媛県においては、県立学校振興計画が進められており、激動の時期を迎えています。デジタル人材の育成や学校の魅力化・特色化に向けた取組、部活動改革など、日々の業務に加え、新たな取組への対応に苦労されている方が多いのではないでしょうか。今年度の県教育委員会の予算案の中には、県立学校へのスクールカウンセラーの配置、スクールソーシャルワーカーの各地区への拡充など、われわれ愛媛高教組が要望してきた内容が盛り込まれました。特に昨年度配置されたスクールソーシャルワーカーは、活用された先生方から「相談できる専門の方が配置され、非常に助かっている」「教員の負担軽減につながっている」という声も多くいただいています。われわれ教職員が心身ともに充実し、生き生きとした姿で児童生徒に接することが、教職の魅力向上につながります。われわれ自身の働く姿が次世代の教師を生むという強い思いで、引き続き愛媛高教組は教職員の待遇・職場環境の改善に向けて全力で取り組んでまいります。
愛媛高教組は、分会役員の方々を中心とした加入促進の働きかけによりまして、他県や他団体の組織と比べても高い加入率を維持しております。しかし、組合加入率が低下しているのも事実です。教育現場が大変なときこそ組合員皆さまの力が必要です。これからも「不偏不党」「是々非々」の立場を堅持し、組合員の皆さまからいただいた貴重なご意見をもとに、関係各所にしっかりと働きかけてまいります。今後とも変わらぬご支援・ご協力をお願い申し上げ、年度はじめのご挨拶とさせていただきます。
愛媛高教組 執行委員長 菊池 康太